アスレチックスの大躍進は何だったのか?

2011年、ブラッド・ピット主演で「Money Ball」が公開された。

また同年、松井秀喜が在籍していたことで去年アスレチックスを知人はそれなりに増えただろう。

悲しいことにプレーオフ進出はならず、野球ファンから見てもしばらくは「再建中」の札をぶら下げて数年戦うことになるのだろうと思っていた。今年の日本での開幕戦をMLB.TVで見ていて、その思いを一層強くした。西地区のお荷物球団がイチローの凱旋のために遠路はるばるやって来た、くらいにしか思っていなかった。

ところが。

アスレチックスは大躍進を果たした。しかも現役最強打者のプホルスを入れ、さらにトラウトという新星を擁するエンゼルスを圧倒。

さらには近年のうちで最強のチームではないかとさえ思えるレンジャーズを振りきっての地区優勝。

この躍進を予想し得た者はいただろうか?

一体オークランドで何が起きたのかを考えていた。得失点を見ればアスレチックスはプレーオフ進出を果たしただけあってもちろん優秀。+99。

西地区の得失点差順位は以下の通り。

1:レンジャーズ +101

2:アスレチックス +99

3:エンゼルス +68

4:マリナーズ -32

数字を見れば一目瞭然。レンジャーズに匹敵する数字を残している。

それでも、あのメンバーで?という思いは拭えない。去年ほど好調ではなかったがキンズラー、ベルトレー、ハミルトン、ナポリ、クルーズなど強打者を有するレンジャーズと張り合えるほどの戦力を持っているとは分かってはいても想像しがたい。

そんなことを考えながらチームスタッツをあさっていたら面白いものを見つけた。

面白いというか、「Money Ball」そのものなのだけど。画像はMLB.comのものを加工した。

画像

NPは相手ピッチャーに投げさせた球数。GO_AOはゴロでのアウトとフライでのアウトの比率。低い方がフライでのアウトの方が多いことになる。

アスレチックスは本塁打数は195本でリーグ6位だったものの、「Money Ball」の真髄とも言える出塁率は結果的にリーグで下から2番目だった。リーグ2位の投手陣が地区優勝の原動力であることは間違いないが、上の数字を見ると打撃陣の健闘が伺える。

NP24660は2位のヤンキースに400以上差をつけている。それだけ投手に多くの球数を投げさせているということだ。

さらには、GO_AOも頭ひとつ抜けている。

今シーズン序盤、イチローはこの数字が高くなっていた。ゴロアウトよりフライアウトが増えていた。

この数字は打者のタイプにもよると思っているのだけど基本的には打者の意図を表すものだと思っていて、イチローは例年この数字が高めになる=ゴロアウトが多いのだけど、3番を任されていた今年はフライアウトの方が多くなり、数字が低めになっていた。3番打者として長打を増やすスタイルにチェンジしようとしていたのだ。

話がそれたが、つまりアスレチックスの打撃陣は長打を狙い続けながらも、投手により多くの球数を投げさせ、粘っていたということだ。ただ、チーム長打率はさほどではない。

このスタイル、「マネー・ボール」原作を読んだ人にはピンと来る人もいると思うのだけど、ハッテバーグだ。相手にとことん投げさせ疲れさせる。先発投手を引きずりおろし、力の落ちるリリーフと勝負する。

一時期守備を重視するスタイルになったりして、実は今年の躍進はそういった新しい理論に則った戦法での躍進なのかもしれない。

しかし結局は今年の大躍進も出塁率というわかりやすい数字には現れなかったものの、10年前の2002年に大躍進を果たした時のアスレチックスと同じ「ビリー・ビーン・アスレチックス」であると言えるのではないだろうか。

これだからアスレチックスは面白い。

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