ジョージ・オーウェルの「一九八四年」を読む

※ネタバレ含みます。まだ読んでいない方はご注意を。

Kindle版「一九八四年」を読み終えました。

アップル好きとして一度は読んで置かなければいけないと思っていました。

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Macの最初のCMはこの本をモチーフに作られたんですよね。「ビッグ・ブラザー」とIBMの「ビッグブルー」をもじって。

そして初代Macintoshの発売が1984年。本を読み終わった後に考えてみるとよく出来た話だなという印象。

 

本自体の感想はノルウェー・ブック・クラブ発表の「史上最高の文学100」に選ばれたりしているだけあって面白かったです。翻訳も素晴らしいのだと思います。

個人的には序盤は退屈だったのですけど、中盤以降は止まらなくなった気がします。

何よりも驚きなのは1949年に書かれた本であること。もはや60年以上前の本であるのに楽しむことができる点。作者の生きた時代がどんな時代だったかを感じることができます。

20世紀前半のイギリスという舞台だからこそ描かれるべき産業化の功罪、そして作中で描かれていた戦争の常態化には戦争繰り返されるのだ、という作者、さらには時代そのものが持っていたのではないかと思われる考えが垣間見えた気がしました。

 

秀逸だと思ったのは、言語に関する作者の考察。特に略語に関しては納得してしまいました。

この種の考察も時代背景を見ることができます。

 

略語を使う傾向は全体主義的な国や全体主義的な組織においてきわめて顕著であった。

名称を省略形にすると、元の名称にまとわりついていた連想の大部分を削ぎ落とすことによって、その意味を限定し、また巧妙に変えることになると看取されたのである。

 

実はこの文は本編中に出てくるのではなく、巻末に書かれている作中で使用されている”ニュースピーク”という言語の解説に出てきます。この世界で英語は”オールドスピーク”と呼ばれていて、”ニュースピーク”は以上のような理由により全体主義の都合に合わせて意味を削り落とし、文法なども単純にした英語のようなものです。

 

1984年という”過去”を”未来”として読むというのは面白かったです。作品が書かれた時代背景を考えながら読むとなお面白いです。

ちなみに訳者あとがきにこんなことが書かれていました。

 

英国での「読んだふり本」第一位がオーウェルの『一九八四年』だというのである。

 

まぁ本を買った人がみんな最後まで読むわけではないですしね。

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