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逆風に立つ 松井秀喜の美しい生き方

先日、松井選手が国民栄誉賞を受賞しましたね。

 

あえて選手と書いてます。物心ついて野球というものを見始めた時から松井秀喜は野球選手であり、まだ少しなれるまで時間がかかりそうです。

以前にも、伊集院静さんと松井選手について書いたことがありますが、書店で見かけたので買って、読み終えました。

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「逆風に立つ 松井秀喜の美しい生き方」

 

視点が違う

書籍の中では伊集院さんと松井選手の出会いから引退までの交流や、伊集院さんと奥さんが暖かく松井選手の活躍を見守る姿が書かれています。

メジャーに行ってからの10年、伊集院さんと同じ思いで松井選手を眺めていた方がたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

僕は松井選手よりも10個以上年齢が離れているので、松井選手の印象は伊集院さんとは全く異なります。子供にとってのヒーローという見方です。

伊集院さんは、親が子を見るような目線で語っています。松井選手は、王・長嶋後に現れた特別な選手だったのだなということを再認識できました。

 

“若者” 松井秀喜

ベストセラーとなった「大人の流儀」を読むとわかりますが、伊集院さんは若者に手厳しいです。僕はそこにどこか愛がこもっていることを感じてしまうのですが。

そんな伊集院さんが手放しで称賛する松井選手。お2人の触れ合いが伝わってくる一冊です。スポーツニュースでは見ることのできない松井選手の一面が伊集院さんの視点を通して伝わってきます。

ちなみにMLB.comでは過去10年くらいの動画を見ることができます。松井選手のデビューやヤンキースタジアムでの初本塁打も収められています。

書籍の中で、いくつかの松井選手の名場面が取り上げられますが、それもここで確認することができます。書籍の中で取り上げられていたものを以下にピックアップしたので、気になったら見てください。

しかし、エンゼルス移籍後のチャンピオンリング贈呈式はたまらないですね。嬉し涙が出てきます。

 

書籍の中で取り上げられていたシーンへのリンクはこちら

・2003年4月8日 本拠地ヤンキースタジアムでメジャー初本塁打 を満塁弾で決める

・2003年10月16日 アメリカンリーグ リーグチャンピオンシップシリーズで宿敵レッドソックスの大エース ペドロ・マルチネスから追撃の2ベースヒット

・同じく2003年10月16日 ポサダのヒットで生還し珍しく感情を露にする松井選手

・2006年5月11日 レフトへの打球を処理した際に左手首を骨折

・2009年11月5日 ワールドシリーズ第6戦 宿敵ペドロから先制の2ランホームラン

・2009年11月5日 ワールドシリーズMVP受賞

・2009年 ワールドシリーズMVP まとめ

・2010年4月13日 エンゼルス移籍後 ヤンキースタジアムへ凱旋しチャンピオンリングを受け取り元チームメイトと旧交を温める

・2012年5月29 マイナー契約から這い上がりレイズデビュー戦で2ランホームラン

4月15日は「42」の日です

見出しではさっぱり分かりませんが、4月15日はMLBにとって特別な日です。さっぱり知らない人のために短めに説明します。興味を持ったらWikipediaとかでさらに調べてみてください。

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この日は人種の壁=カラーバリアを打ち破ることになるジャッキー・ロビンソンがメジャーデビューをした日です。

時は1947年。第二次世界大戦が終わって間もないころです。当時のメジャーリーグは白人だけで試合をしていました。

とても長くなってしまうので割愛しますが、様々な縁や人間ドラマ(僕はこの人間ドラマを涙なしに読むことはできません)の果てにジャッキー・ロビンソンはメジャーデビューを果たします。

ところで、なぜ「42」の日かと言うと、1997年4月15日、デビューから50周年の日にMLB機構がジャッキー・ロビンソンの功績をたたえ全球団の背番号42を永久欠番にしたのです。

日本に来る外国人選手は背番号42をつけることが多いですが、それはメジャーでつけることができない背番号だからかもしれません。あるいは、日本人ばかりの環境でジャッキー・ロビンソンを思い出して自らを奮い立たせるためかもしれません。

今季限りでの引退を表明していて、イチローのチームメートでもある、メジャーリーグ史上最多セーブ数を記録しているマリアーノ・リベラは背番号42を常につけています。これはルール制定前から背番号42をつけていたので特例でつけ続けて良いということになっているのです。

ルール制定時はリベラ以外にも42をつけている選手がいましたが、リベラ以外に残っていません。2014年シーズンからはいよいよ本当に4月15日以外に背番号42を見ることができなくなります。

今年、ジャッキー・ロビンソンの伝記映画「42」(原題)が公開されます。僕の知る限り日本での公開の話がないのですが、これは是非やってほしいです。名前をそのまま題名にしても良かったのかもしれませんが、やはり「42」という数字が特別なものであるということが分かります。

いつも思うのは、ジャッキー・ロビンソンがいなかったら人種の壁が取り払われるのにもっと時間がかかったかもしれません。イチローも行けなかったとは言わないまでも、ジャッキー・ロビンソンが途中で挫折したり、差別に屈してしまっていたら、全盛期を過ぎた頃に行かざるを得なかったかもしれません。WBCも小さなものだったでしょう。いや、もしかしたら野球自体がものすごく小さなスポーツとなっていた可能性もあります。

知っていてほしいことは「なぜ42を着けているのか」ということです。今や当たり前のこととしてやっていることを、本当に命懸けで築きあげてくれた人物がいたということを忘れないためなんです。

メジャーリーグファンにとって特別な日なんです。

松井秀喜選手引退

きょう、ある意味一つの時代の幕が閉じられたんだなと感じた。

松井秀喜選手の引退。MLB公式ホームページのトップも松井秀喜引退の報となっている。

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日本で10年。アメリカで10年。この2つの期間は本人にとっても、ファンにとっても全く異なった10年だった。

日本屈指のスラッガーが30本以上本塁打を記録できないでいることを歯がゆく思っていた。「不動心」に書かれているが、松井秀喜本人は自分は中距離バッターであると理解し、日本人のしなやかな体を生かしたバッティングを意識した結果のスタイル転換だったのだと思う。

また左手首のケガもそうだった。ただ、個人的に感じていることはあの左手首のケガは日本にいても起き得たわけであり、持病となっていた膝の方がパフォーマンスに影響を与えていたのではないかと思う。

移籍の際に天然芝の球場にこだわっているとの話もしばしば聞かれたので、膝の状態は周りの人間が見るよりもはるかに悪かったのだろう。もしかしたら日本でプレーし続けていたら選手寿命はもう少し短くなっていたのかもしれない。

レイズに移籍した際は天然芝へのこだわりを捨ててまで、さらには背番号を変えるという決断をするまでに野球選手としては追い込まれているのだと感じた。オフになって来季からア・リーグに移籍するアストロズが興味を示しているとの報道もあったが、レイズのペーニャをアストロズが獲得したことによって望みは絶たれたと言ってもおかしくない状況だった。

それでも現役を続けるなら日本復帰の目もあっただろうし、WBCで代表入りしてMLBにアピールするという手もなかったわけではないと思う。

2002年にFA宣言をしてMLB移籍を決めた時の言葉は、男が下した本当の決意の言葉だったのだと10年の歳月をかけて証明されたのだと感じた。

「最後の最後まで悩んで苦しかった。何を言っても裏切り者と言われるかもしれないが、いつか『松井、行ってよかったな』と言われるよう頑張りたい。決断した以上は命を懸ける」

本当に行ってよかった。2009年のワールドシリーズMVPは同じ日本人であることを誇りに思えた。

自分で引き際を見極めた松井選手に、たくさんのありがとうを言いたい。そしてきのう読み終えた本に松井選手についての記述があったので記録しておきたい。プライベートでも親交のある伊集院静さんの「別れる力」の中の言葉。

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大人の男は、辛い、酸っぱいトンネルを抜けて出てくれば、風情、かたちが良くなる。私は時々、彼に言う。野球だけが人生じゃない。人生を好打できる方が百倍もイイ。

僕らの松井秀喜なら、きっとできる。

iPad miniのスタメン ─野球に例えてみた─

僕がiPad miniでDockに入れているアプリたち

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1番センター・Chrome

2番セカンド・Refills

3番サード・NewsStorm

4番キャッチャー・Evernote

5番ライト・Mr.Reader

6番・ショート・Penultimate

 

9人いないじゃん。と言われるとぐうの音も出ないのでスルーしてください。

 

ChromeはMacでも利用しているので「その他のデバイス」で見ていたサイトを確認できるので超便利。急な用事でパタンとMacを閉じてしまっても移動中などに見直すことができます。

場所を選ばず起動して他のデバイスで見ていたサイトも確認できる守備範囲の広さはセンターにうってつけ。さらにMacを含めると出塁率ならぬ起動率はぶっちぎりのナンバー1です。

 

お次はReifils。このアプリはユニバーサルなのでiPhoneでも使用できます。どちらでスケジュールを管理しても煩わしさなし。デザインも卓上カレンダーを見ているかのよう。トレーニングのタスク管理も楽ちんです。インタフェースの使い勝手の良さとiPhone、iPadで使える点は、送りバントもができ、なおかつ内野の要とも言えるセカンド。地味ながらも欠かせない重要なパーツです。

 

お次はNewsStand。打ってよし、守ってよし、走ってよし。基本的に何か読みたい時はまっさきにこれを開きます。自分で情報を無駄に集めたくない時は最高です。まとめサイトもここで見ればOKな気分になれます。燃えよホットコーナーばりに情報を集めることができて、なおかつおまかせしてしまえるのは3番バッター。自分の好きなようにプレイできるようにさせることをMLBではグリーンライトと言うのですがまさにそれ。例えるならばアレックス・ロドリゲスです。

 

4番キャッチャーなんか山田太郎じゃん、なんて思った方はズバリその通りです。 NewsStormで気になったものはEverNoteにペースト。日ごろの色々なことをとりあえず貼り付けて、まさに頼れる4番バッター。自分の気になったことが集約されているところは扇の要、頭脳と呼ばれるキャッチャーと呼ぶにふさわしいです。

 

Mr.Readerは好きなブログを読むためのものです。自分の気に入ったものを登録しているのでハズレがありません。守れなくてもいい。打率が良くなくてもいい。ここ一番で一発が欲しい。僕の興味を回収してくれる点は言うなればスコアリングマシン。

 

最後はPenultimate。これはメモアプリです。ちょっとした発想を書き留めるのに使用しています。もうテキトーでもいいからとりあえず書き留める。ペンの太さや色も選べて、その華やかさは遊撃手。内容のないメモも多く整理ができていない点は打撃の淡白さを伺わせますが、欠かすことのできない選手、もといアプリです。

 

仕様頻度の高いアプリをDockに入れているつもりなのですが、こうやって見てみるとiPhoneでも使うことができるアプリは使用頻度が高いように思います。ユニバーサルって制作は大変なんでしょうけどユーザーにもたらすメリットはバカでかいんじゃないかと思います。

 

Mr.ReaderやPenultimateなどのRSSリーダー、メモアプリはiPad miniのしっかりとした大きさが安心感を演出しているような気がします。iPhoneだとちょっと窮屈な感じがしてしまうので。

 

野球に例えてみて思ったのは、はっきり言って意味がわかりませんね。野球に例えるというのは飲み会でも笑いを取る時にそこそこ使えるテクニックであると思うので、ちょっとした練習みたいなものだと思いまして。たまにやってみようかな、なんて思います。

アスレチックスの大躍進は何だったのか?

2011年、ブラッド・ピット主演で「Money Ball」が公開された。

また同年、松井秀喜が在籍していたことで去年アスレチックスを知人はそれなりに増えただろう。

悲しいことにプレーオフ進出はならず、野球ファンから見てもしばらくは「再建中」の札をぶら下げて数年戦うことになるのだろうと思っていた。今年の日本での開幕戦をMLB.TVで見ていて、その思いを一層強くした。西地区のお荷物球団がイチローの凱旋のために遠路はるばるやって来た、くらいにしか思っていなかった。

ところが。

アスレチックスは大躍進を果たした。しかも現役最強打者のプホルスを入れ、さらにトラウトという新星を擁するエンゼルスを圧倒。

さらには近年のうちで最強のチームではないかとさえ思えるレンジャーズを振りきっての地区優勝。

この躍進を予想し得た者はいただろうか?

一体オークランドで何が起きたのかを考えていた。得失点を見ればアスレチックスはプレーオフ進出を果たしただけあってもちろん優秀。+99。

西地区の得失点差順位は以下の通り。

1:レンジャーズ +101

2:アスレチックス +99

3:エンゼルス +68

4:マリナーズ -32

数字を見れば一目瞭然。レンジャーズに匹敵する数字を残している。

それでも、あのメンバーで?という思いは拭えない。去年ほど好調ではなかったがキンズラー、ベルトレー、ハミルトン、ナポリ、クルーズなど強打者を有するレンジャーズと張り合えるほどの戦力を持っているとは分かってはいても想像しがたい。

そんなことを考えながらチームスタッツをあさっていたら面白いものを見つけた。

面白いというか、「Money Ball」そのものなのだけど。画像はMLB.comのものを加工した。

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NPは相手ピッチャーに投げさせた球数。GO_AOはゴロでのアウトとフライでのアウトの比率。低い方がフライでのアウトの方が多いことになる。

アスレチックスは本塁打数は195本でリーグ6位だったものの、「Money Ball」の真髄とも言える出塁率は結果的にリーグで下から2番目だった。リーグ2位の投手陣が地区優勝の原動力であることは間違いないが、上の数字を見ると打撃陣の健闘が伺える。

NP24660は2位のヤンキースに400以上差をつけている。それだけ投手に多くの球数を投げさせているということだ。

さらには、GO_AOも頭ひとつ抜けている。

今シーズン序盤、イチローはこの数字が高くなっていた。ゴロアウトよりフライアウトが増えていた。

この数字は打者のタイプにもよると思っているのだけど基本的には打者の意図を表すものだと思っていて、イチローは例年この数字が高めになる=ゴロアウトが多いのだけど、3番を任されていた今年はフライアウトの方が多くなり、数字が低めになっていた。3番打者として長打を増やすスタイルにチェンジしようとしていたのだ。

話がそれたが、つまりアスレチックスの打撃陣は長打を狙い続けながらも、投手により多くの球数を投げさせ、粘っていたということだ。ただ、チーム長打率はさほどではない。

このスタイル、「マネー・ボール」原作を読んだ人にはピンと来る人もいると思うのだけど、ハッテバーグだ。相手にとことん投げさせ疲れさせる。先発投手を引きずりおろし、力の落ちるリリーフと勝負する。

一時期守備を重視するスタイルになったりして、実は今年の躍進はそういった新しい理論に則った戦法での躍進なのかもしれない。

しかし結局は今年の大躍進も出塁率というわかりやすい数字には現れなかったものの、10年前の2002年に大躍進を果たした時のアスレチックスと同じ「ビリー・ビーン・アスレチックス」であると言えるのではないだろうか。

これだからアスレチックスは面白い。